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Frederic Leclercqの東京ドーム

Frederic Leclercqという男は、BABYMETALとも共演したDragonForceのベーシストなのだが、BABYMETAL subredditでは、Moametalのファンとして知られている。彼は、The Golden Gods Awardsのアワードショーで共演した際、すっかり大魔王Moaの魔力に取り憑かれてしまったようなのだ。

Leclercqは、「BABYMETALとCover of the Year」で紹介したMetal Hammer 273号のカバーストーリーの中で、BABYMETALへの情熱的な愛を次のように語っている。

「これはふたつの宇宙が衝突するようなものだよ。Slipknotのように荒々しく、低く、邪悪に満ちたところに、あの女の子たちが登場する、『Eeeeee!』。ワオ、なんて可愛い。Babymetalのファンはみんな、小さな金の心を持っている。そして、それが、Babymetalの女の子たちを見た瞬間に融けていくんだ」。

Leclercqは、最近、Sinsaenumというメタルバンドを、元SlipknotのドラマーJoey Jordisonたちと一緒に結成した。今回は、その宣伝のために来日した(ことになっている)。だが、次に紹介する、彼がMetal Hammerに寄稿した記事を読むと、それが果たして新バンドの宣伝のためだったかどうかについては、多いに疑問が残る。

ところで、Metal Hammerは、最近、編集長が変わった。Axexander Milasは、TeamRockの統括的な立場に変わったようだ。そのため、この後に東京ドームに関する詳細な記事が出るかどうかについては、確証がない。Kerrangの方は副編集長が来ていたのだが、Metal Hammerについては確認されていないのだ。そのこともあって、この記事は紹介しておく必要がある。

Frederic Leclercq reviews Babymetal's Tokyo Dome shows

Frederic Leclercq著 / 2016-09-23

DragonforceとSinsaenumのギタリスト*1が東京に現れ、Babymetalのソールドアウトショーをドームで観た。

僕はSinsaenumの宣伝のために日本に立ち寄ったのだが、実はそれと兼ねて、素晴らしい別の目論見を持っていた。Babymetalが伝説の東京ドームで演るふたつのソールドアウトショーのアレンジを、レーベルの連中にやってもらっていたというわけだ。僕達(HermanとSamと僕)は、この5月に日本で彼女たちを見る機会があった。それはファンクラブ限定のショーだったのだが、それでも3000人ほども集まったんだ! そのギグは本当に忘れることができない。それは、ショーそのものだけではなく、そこにやって来た観衆と、彼らが示すBabymetalへのひたすら真剣な反応のためだった。

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さあ、巨大な東京ドームで、興奮が過ぎた55000人を思い浮かべてくれ! それはもう、様々なレベルで素晴らしい驚きのショーだったのだが、その演出も想像を越えていた。3つの墓石みたいな形のキャットウォークが、ステージの中心へとつながっている。そこには塔が聳え立ち、まわりをスクリーンが囲み、一番上にお立ち台が設えてあった。その様子をできるだけ表現しようとは思うのだが、やはりそこに居ないとね。

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照明が落ちると、観衆が声を限りに叫ぶ。巨大なスクリーンが点燈し、骸骨が「一夜に演った曲は、もう一夜では演らない」と告げると、そこは大歓声! 90分は、狂ったようなレーザーと、爆発と、パイロと、時おり回転を始める丸いセンターステージと、...、何なんだ、これは。観衆は燃え上がり、コーラスになれば歌いまくり、一緒に叫びまくる。どこがハイライトと言うのではない。最初から最後まで、全てが本当に信じられないほど素晴らしい二夜だった。

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もちろん、いつものように完璧な仕事をこなした神バンドには、最大級の賛辞を送らねばならない。そして、光と音の技術者たちにも。僕は、こんなことは「日本だけ」だとずっと言っているのだが、やはり完璧という言葉が頭に浮かんでくる。

そして最後はやはり、二夜の女王たち。Su、Yui、Moaは、11万人(世界中から、たくさんの人々が、これを観るためにやってきた)からの愛に、すっかり圧倒されていた。彼女たちは、非のうちどころのない、エネルギーと楽しさに満ちた、そして、ときどき切なくなるようなショーを演ってくれたのだが、それは、彼女たちにとっても、この上もない素晴らしい時間となったようだ。

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つまるところ、彼女たちは最高だった!

僕は、ショーの後、このバンドと会うことができた(僕たちは、友達なんだよ*2)。女の子たちは、紛れもなく全てを出し尽くした感じだったが、それでも、ほんとに、ほんとに嬉しそうだった。彼女たちは、この後すぐ、大事な休息を取るために家へ帰り、僕の方は二夜とも、新宿のバーでパーティーを朝まで続けることになる。それはまた、別のはなしだ...

お知らせ

過去のBABYMETALに関する記事のリストについては、このページ左上の「BABYMETAL」をクリックして頂くか、直接、

http://cnloni.hatenablog.com/archive/category/BABYMETAL

にアクセスしてください。

*1:Leclercqは、DragonForceではベーシストなのだが、Sinsaenumではギターをやっているらしい

*2:ちょっと、自慢している。彼は、フランスからのおみやげを持っていったようだ

Baby Priestが示すもの

そして、未来はここにある  ー (Rob Halfordが、APMAのインタビューで、BABYMETALを指しながら言った言葉。UWS氏翻訳より)

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ものごとには必ず、裏と表、陰と陽がある。この両者は、必ず対でなければならない。「解散できない少女たち」という表題をつけた前の記事では、あくまでも株式会社アミューズの側から、株価や決算報告書などのデータを使って話を作ったのだが、そのため、BABYMETALの3人がショービジネスに翻弄される悲劇の主人公のように捉えられた部分もあったかも知れない。しかし、BABYMETALの3人の女性*1の側に視点をおくと、話は180度違ってくる。

例えば、仮にBABYMETALがアミューズから独立したいとする*2。その場合、アミューズは対抗できるのだろうか。日本の興行界の慣習では、所属事務所ともめると回状がまわって仕事がなくなるとか言っているが、BABYMETALの場合は事情が違う。

すぐにアメリカ資本、例えば、Live Nationなんかが乗り出してくる。BABYMETALが興行界の巨大コングロマリットである彼らと契約してしまえば、アミューズは逆立ちしてもかなわない。例えば、今年のBABYMETALのアメリカ公演の会場の多くは彼らの所有だし、チケットも傘下のTicketmasterを通じて販売された。また、今年出演したDownload Festivalは、子会社のLive Nation UKが主催している*3。日本にも、Live Nation Japanという、いつでもドームツアーを仕切れる子会社がある。だから、彼らとまともに張り合ったら、PerfumeONE OK ROCKの海外活動にも差し支えが出てしまう。アミューズとBABYMETALの力関係は、客観的にみれば、既に逆転しているとも言えるのだ*4

このような話になるのも、BABYMETALに対する評価が、業界内*5で大きく高まっているからだ。これは、日本で伝えられている「BABYMETALがXXと写真を取ったよ、すごいね」というレベルを、はるかに越えている。業界のメインストリームが、ビジネスの対象として注目しているのだ。

例えば、BABYMETALを愛するフェスティバル・プロデューサーDanny Wimmerがいる*6。彼は、独立系の興行師としては世界で最も大きい売上高を誇る人物だ。そのWimmerがBABYMETALを次のように評している。

「12歳のときに5 Seconds of Summerを見た子供たちは、いま15歳になって、もっと過激なものを探している。こいつは何かが起きるな」。

APMAの主催者インタビュー

そんな若い観客たちを前にした、おそらく初めてのライブが、APMAのアワードショーだった。残念ながら結果は、彼女たちと同世代が主流の観客に関する限り、健闘はしたがアウェーでの初めての敗戦となったようだ*7。もっとも、観客の大半が知る由もないRob Halfordをゲストにするぐらいだから、最初から勝つつもりはなかったとしか思えない。

しかし、こと音楽業界向けとしては大勝利だった。前の記事で紹介したように、Best Live Bandに選出されたバンドのフロントマンが「(BABYMETALではなく)何で俺達がこの賞をもらったんだ?」なんてことを言い出すぐらい*8、業界人には強烈な印象を与えたようだ。グラミー賞ノミネートへの道も、かなり視界が開けたようだ。

なによりも、世界中のBABYMTEALファンたちは大喜びだったのだが、一番に楽しんでいたのがBaby Priest本人たちだったことは、言うまでもない。

その本人たちに、パーフォーマンスの直後、主催者サイドからのインタビューが行われた。そのビデオがAPMAサイトに公開されたのは、かなり前だった。これはかなり重要なインタビューで、本来なら取り上げたいやつだ。しかし、私が翻訳を試みたのではとても時間がかかりそうだったのと、もうひとつ、Su-metalがスカタンなことをやった(と最初は思っていた)こともあって*9、私としてはできれば放っておきたかった。

そこへ現れたのが、UWS氏だった。

UWS氏は、当ブログのコメント欄によく書き込んでくれる人である*10。ニューヨーク在住で、おそらく英語関係の仕事をしているのだろうと思うのだが、とにかく、発音にとても詳しい。これについては、また別の機会にでも紹介したいと思っていることがある*11

さて、そのUWS氏が、インタビューの翻訳を「Baby Priestの余韻」のコメント欄に書き込んでくれた*12。彼は、このインタビューの意味を高く評価していて、どうしても紹介したいということだった。転載の許可をもらったので、以下に紹介する*13。一部の注釈を取り除いた以外は、名前の表記*14も含め、ほぼ原文のままだ。

UWS氏の言いたいことは良く分かる。Judas Priestを神のごとく崇めた人たちにとっては、驚くべき内容だろう。そして、BABYMETALの現在地について、多くの示唆がある。

インタビュー翻訳

リポーター: やあどうも。こちら2016APMAsオルタナティヴ・プレスのライアン・J・ダウニー、PRSギター・バックステージ・ラウンジに来ています。一緒にいるのはBABYMETAL、そしてメタルゴッドこと、ジューダス・プリーストロブ・ハルフォード。でっち上げなんかじゃない、文字通りのメタルゴッドです。ご覧の通り。今夜は神々揃っての御出ましですね、狐の神様、そしてメタルの神様。

ハルフォード: ああ、狐の神にメタルの神だ。[SU-METALの方を向く]

SU-METAL: ヘヘーイ… [笑]

リポーター: おや![笑]

ハルフォード: クレイジーだったね、一瞬で終わって、今なお、熱が冷めやらないのだから。いかにもインテンシヴな(徹底的に集中した)ステージだった。

リポーター: でしたね!

ハルフォード: 準備期間を何ヶ月も、何ヶ月も、何ヶ月も待って、いざ本番となるや「ドカーン!」だ。あまりに直ぐ終わってしまったが、信じられないような時を過ごしたよ。

リポーター: それを言うならファンの方です!我々にしても何ヶ月も、何ヶ月も、どんなステージでどんなサウンドになるのか思い巡らせながら待ったし、「えっ、もう終わり!?」みたいな感じまで同じ。でも、まさに最高の一撃を貰った気分ですよ。アメージングでした。

ハルフォード: 彼女達は本当に凄くてね。私も音楽シーンへの登場以来注目しているが、彼女達の人気は留まることなく高まり続けていて、・・・

リポーター: ええ。

ハルフォード:世界中に大勢の支持者がいる。言うまでもなく、本国の日本でも有名だよ。一晩に5万人の公演を行うのだから。

リポーター: うん。

ハルフォード: 彼女達の本当に、本当にハードな仕事ぶりは国外のツアー中でも変わらない。BABYMETALが何処へ行こうとビッグである所以だ。そして、それがまた効いているんだ・・・と言うのも、私はプリーストとBABYMETALが一緒に出るフェスティバルで見てるんだよ、彼女達が本当にその場を牛耳ってしまうのをね。彼女達は実に『大胆不敵』だ。

リポーター: ですね。

ハルフォード: 全くもって『恐れ知らずのフォックスゴッド達』だよ、うん。

リポーター: 先ほど、BABYMETALと共演するロブ・ハルフォードを見てとてもエキサイトした事、そしてどんな感じだったかをツイートしたんです。すると「BABYMETAL」という言葉だけで、世界中からこんなにも[ジェスチャーで表現]沢山のリツイートとコメントする人々が集まったんですよ。 [BMに対して] えっと、貴女方が最初にジューダス・プリーストの事を知ったのはいつの事でしょう。

SU-METAL: えっ・・・今日のステージの事ですか?ええと、とても、とてもエキサイティングでしたし、私達の夢が叶ったと思いました。[笑]

リポーター: [笑いながら]そうでしょう!と言うか、多くのファンの夢が叶ったという事・・・

SU-METAL: うん、うん。

リポーター:[続き] ではないかと。こんなのが観れた訳ですから。えっと、是非お聞きしたいのですが、貴人方は今夜の曲目をどんな風に選んだのですか。『Painkiller』と・・・

ハルフォード:[SU-METALにマイクを譲られ] ああ、えー、(BMチームは)皆丁重と云うか、私に「一曲お選び下さい」と言ってくれてね。それで一旦は『Breaking The Law』だけを演る事になったのだが、二週間ほど経って「『Painkiller』も演りましょう」と言われたんだ。[SU-METALを見る]

SU-METAL: ハハハハ・・・ [笑顔で静かに笑う]

リポーター:[小声で] おおおお・・・

ハルフォード: BABYMETALとしてはまた初経験の上積みみたいな事になったわけだ。我々のマッシュアップは初めてだし、『Painkiller』に『Breaking The Law』だからね。とてもじゃないが上手く行くとは思えない。ところがこの人達ときたら・・・それはもう手際が良いし、筋金入りの徹底振りで何でも実現してしまう。特にあのバンド、BABYMETALに付いているバンドだが、最上級レベルのミュージシャン達だ。本当にクールだよ。

リポーター: ですね!私は今日の早い時間にサウンドチェックをちょっとばかり、こっそり覗いてしまったのですが、こんな感じでした[密かな喜びをジェスチャーで表現]。(まだBABYMETALは)いなかった・・・と言うか、貴女方はまだBABYMETALではありませんでした。でもそれでかえってサウンドの良さや手抜かりの無さが良く分かったし、彼女の変身振りときたら、それはもう「有り得ない」ほど凄かった。本当に凄かった。そうだ、世界のジューダス・プリーストのファン・コミュニティーを代弁して言いますが、『Painkiller』は(メタルの)神髄を極めた楽曲の一つです。

ハルフォード: ここにいる素敵な『ヘヴィメタル・モンスター・レディー達』が、ヘヴィメタルのルーツを正しく理解し、認識してくれているのは本当に素晴らしい事だと思っている。誠に有難い事に、彼女達は2016年のジューダスプリーストが、今彼女達自らの為に取り組んでいる事柄に合致すると捉えてくれる。手を差し伸べて「一緒に演りましょう」と言ってくれる。連中、ジューダス・プリーストの他の連中も、(彼女達が)ジューダスプリーストをヘヴィメタルのルーツと認識している事にとても心踊らせているよ。そして [BABYMETALの三人を手で示しながら] 未来はここにある。

リポーター: 全くその通り、"激しく"同意します。皆さん、BABYMETAL、そしてメタルゴッドことジューダス・プリーストロブ・ハルフォードでした。2016APMAsの期間中には信じられない事が起こるけれど、私はこれを少なくともあと二日間続けるつもりです。どうも有難う。

Heavy Metal Monster Ladies

驚くべきことに、Rob Halfordは、まるで彼女たちのファンであるかのように、BABYMETALをひたすら讃えている。パーフォーマンスが終わった後の興奮を差し引いても、これはちょっとやり過ぎかと思えてしまうほどだ。

だが、それはおそらく、彼の本音なのだ。彼はヘビーメタルの現状に満足していない。ヘビーメタルのルーツを自認するものとして、40年たっても*15大してメタルは変わっていないじゃないか。このままでは、俺のメタルは墜ちていくばかりだ。もちろん、年をとり過ぎた俺たちが、それを変えることはできない。だが、何が本物かは分かる。

この小さい女の子たちと彼女たちのチームは、間違いなく本物だ。おそらくロックの未来を担うだろう。その彼女たちが、Judas Priestの末裔を名乗ってくれるのなら、こんな嬉しいことはない。彼女たちがヘビーメタルをどのように変えてしまおうと、そんなことは重要ではない。音楽が変化するのは自然の摂理だ。そこに微かにでも俺たちの遺伝子が残っているのなら、それで十分だ。

嬉しいことに、彼女たちは俺のPainkillerを見事に演って見せてくれた。楽しかった。Priestの他の連中は羨ましがっているだろう。年寄りは欲張りだ。願わくば、また一緒にやってくれることを。

私は、Rob HalfordがBABYMETALを過大評価し過ぎている、ということではないと思う。おそらく、BABYMETALの業界での現在地は、日本で思っているよりもかなり高いところにある。業界の大物たちがBABYMETALを擁護するのは、彼女たちが可愛いからではない。彼らの研ぎ澄まされた音楽的嗅覚が、そこに未来があると感じさせるからだ。

RHCPは、BABYMETALにチャンスを与えてくれたのではない。やつらは、うまいことをやったのだ。イギリスの主だったアリーナで、次の自分たちのツアーのために心ゆくまでリハーサル出来る権利と交換に、BABYMETALを前座として使った最後のバンドという名誉を手にいれたのだ。

*1:少女ではなく。前の記事では語呂を優先して「少女」としたが、私は結構、フェミニスト(現代の意味での)なのだ。日本式の「アイドル」というような、何となく男がサポートしなければいけないような存在は好きではない。自立した女性として捉える方が好ましい。実際、彼女たちは既に立派な一流アーティストだ

*2:居心地よさそうだから、近い将来にそうなることは、ほとんど考えられないが

*3:例のAndy Coppingは、その子会社の役員だ

*4:彼女たちが、その事実に気づいているとは思えないけどね

*5:日本ではなく世界中の

*6:何故、BABYMETALは、Danny Wimmerという大物に愛されていると言えるのでしょうか? 分かった人はコメント欄に書いてください。ヒントは、去年と今年のアメリカツアーにあります

*7:ジャニーズファンのような観客は、さすがのBABYMETALでもなかなか難しい。メタル純粋主義者のヘイターなんか、それに比べればチョロいもので、青山が2・3発タムタムを叩いてバスドラムを入れれば、ほとんど勝負は決まる。BABYMETAL DEATHというのは、実に良くできている

*8:BABYMETALは別のカテゴリーだったから、この賞を取れるはずがないのだが、よっぽどBaby Preistのパーフォーマンスが印象的だったのだろう

*9:ご存知のように、彼女はこの日のステージで、いつにも増してハイテンションだったわけで、興奮さめやらない状態でのインタビューという最悪の条件だった。だから、最初は彼女が質問の意味を取り違えたのかと思ってしまった。だが、良く考えると、そうではない。むしろ彼女は一番聞かれたくなかったことを、うまく誤魔化したのではないかと思い直した

*10:ここ以外では、つい最近、本になった「BABYMETAL試論」というブログのコメント欄に登場する

*11:Su-metalの英語の家庭教師はイギリス人であると、UWS氏が証明したのだ。重要なことは、Su-metalは、言われているよりもずっと、ちゃんとした英語をしゃべるということだ

*12:このインタビューの翻訳は他にもあったが、たぶん意味が分からなかったところを飛ばしているのだろう、完全ではない

*13:英語の文字起こしなどの関連した内容は、「Baby Priestの余韻」のコメント欄にあるので、参照してもらいたい

*14:私は、ふつう、名前を原語表記する

*15:Judas Priestの初来日は1978年

解散できない少女たち

様々な法律が18歳成人制に向けて改正されようという昨今、もうすぐ19歳になろうかという女性に対して「少女」というのも失礼な話なのだが、単に語呂が良かったという理由で、この表題にしてしまった。

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東京ドームが両日ともソールドアウト。おめでたいことではあるのだが、一番喜んでいるのがだれかというと、株式会社アミューズの経営陣だろう。

BABYMETALは、よくメタル純粋主義者のヘイターから「manufactured」だと非難される。だが、2010年に元の所属グループのスピンオフとしてスタートしたころの話を聞くと、「handmade」がせいぜいな所で、アミューズの経営陣などは、その存在さえ知らなかったのではないか。それが、時代変わればなんとやらで、今や会社の命運を握っていると言っても過言ではない。

両日の売上を勝手に予想すると、入場料関係が8億から10億円。関係商品の売上と放送権料等で、5億円から8億円。ほぼ15億円の売上になると見る。営業利益については、2日連続というのが大きく、営業利益率は少なくとも2割は越えるだろうから、3億円から5億円。アミューズの2017年3月期第二四半期(7月〜9月)に限ると、売上高110億円、営業利益10億円程度を予想していると思われるので、売上高で14%、営業利益では何と四半期の4割近くを、たった2日間で稼ぐことになる。

これはアミューズにとっては、BABYMETALの人気が急に上がったことによる望外の喜びなのだろうか。いや、違うね。やつらは最初から計画していたのだ。鍵は4月1日にある。

4月1日

4月1日というのは、官公庁や学校関係では新年度の初日なのだが、3月決算を採用している株式会社にとっても、やはり新年度の初日にあたる。何を言いたいか、もうお分かりだろう。株式会社アミューズの2017年3月期の初日にあたるその日は、Metal Resistanceの発売日であった。

これはたいへん象徴的な出来事であって、偶然であるとは考えられない。それは、今期よりBABYMETALを稼ぎの柱にするという株主に向けての宣言だったのだ。「狐の日」というのは、その思惑を一般には目立たなくする方便にすぎない。

アミューズが普通のタレント事務所と違うのは、それが上場企業であることだ。上場企業であるからには、多くのメリットもあるかわりに、様々な束縛もある。そのひとつが、株価水準に経営が左右されてしまうことだ。

全ての問題は株式会社アミューズが、2016年3月期に最高益を記録したことに始まる。これにはサザンや福山の働きがあったわけだが、上場企業、特に株価重視経営の気味がある企業に取っては、最高益と言っても両手を挙げて万々歳というわけには行かない。アミューズの場合、昨年の9月ごろには2016年3月期が最高益を記録することが予想されていた。株価はそれをすぐに織り込んで高騰し、後は下がるだけということになる。アミューズの株価は、2016年11月24日に最高値3080円*1を記録した後、現在は6割程度まで下がってしまっている*2

コンサートというのは、何ヶ月も前から計画しているから、2016年3月期が最高益になることは、社内的には昨年の7月か8月ぐらいには分かっていたはずだ*3。そんな時、経営陣だったら何を考えるだろうか。

サザンも福山も来期(昨年から見て)に大型ツアーの予定がないとすれば、2017年3月期が売上、利益とも落ち込むのは確実だ。その落ち込みを出来るだけカバーしたい。期待できるタレントは誰だ? PerfumeflumpoolSEKAI NO OWARI*4? いや、一番期待できるのはBABYMETALだろう。

Wembley Arenaが4月2日だったのには理由があったわけだ。Wembleyの開催発表は8月末だったから、小林が2016年の2月か3月ごろにWembleyでやりたいと打診したとき、経営陣は「それはいいね。でも、4月に延ばすことはできないのかい。4月の初めならベストなんだけど」とでも言ったのではないか。それなら、経費支出の多くを今期に経常して、収入は来期に経常できる*5

そうなれば、後は、毒を食らわば皿までだ*6

「新アルバムも出さないか? Wembleyが4月2日なら、アルバム発売は4月1日しかないよね。来期の初日だから、縁起がいい。来期はBABYMETALで行こうというわけだ、ハハハ。小林くん、頼むよ。何とか、頑張ってくれないか」。

「東京ドームはどうだい? 今年の株主総会で気の早い株主の連中が、何故ドームツアーをやらないのかと言っていたぐらいだから、来期中にはドームコンサートをやらないと、また文句を言われそうなんだ。BABYMETALファンの株主って、ちょっと面倒だよね」。

「9月19日の次の日なんだけど、一応、仮押さえしておいたから。19日がソールドアウトしそうなら、20日もやってよね。ドームの設営費用は結構かかるけど、2日続きなら利益率を上げられるからね。君も役員になったら僕の気持ちが分かるだろうけど、来期はたいへんなんだよ」

「それから、東京オリンピックなんだけど、開会式はBABYMETALということで根回しを始めようと思ってるんだ。そんなことをしなくても、他にライバルはいなさそうだけど、なにせ、話を決めるのは爺さんばっかりだから。念の為にね」

解散

一年のほど前に「BABYMETALと解散」という記事を書いて、BABYMETALの解散の可能性について論じたのだが、また、東京ドーム後に解散するという話が出ていたらしい。だが、現状は当時よりさらに進行している。株式会社アミューズの事情からすると、解散の可能性など、どこをどう探しても見当たらない。

唯一、考えられるのは、女の子たちが仲間割れして、どうしても一緒にやるのが嫌だとなるか、あるいは、メンバーの誰かが、私は別の道を歩きたいと言い出すぐらいか。しかし、彼女たちはとても仲が良さそうだし、辞めたいというのがSu-metalでなければ*7、メンバーを補充してでも続けるということになるだろう。

仮に3人が解散すると言い出したら、経営陣は土下座してでも止めようとする。「さくら学院の子供たちも、君たちが稼いでくれているおかげで活動できるんだよ。それに、君たちは彼女たちの夢なんだ。後輩たちのためにも、何とか続けてくれないか」などと情に訴えられたら、若い子たちがそれを押し切るのは難しいだろう。

*1:アミューズは今年の4月に株式分割をしている。3080円という株価は、株式分割後の水準に修正したもの

*2:確認しておくが、株式会社アミューズの経営が苦しいわけでは全くない。それどころか、減収減益予想の今期でさえ、売上高400億円と1割程度の営業利益率を見込んでいるから、世間的に言えば、たいへんな優良企業なのだ。それでも、株価は許してくれないのが怖いところだ

*3:公式には、アミューズは10月30日に業績予想の修正を開示し、通期の売上予想が417億円から465億円、営業利益が43億円から56億円に上方修正した。最終的な決算では、営業収入489億円、営業利益60億円ということで、その予想をさらに上回った

*4:これらのバンドのことはよく知りません。株式会社アミューズの決算報告書等から情報を得ています。だから、経営陣の見方を表しているのでしょう

*5:ちょっとセコすぎるかな?

*6:BABYMETALが毒というわけじゃない。これと決めたら一気に行くのも経営だ

*7:さすがに彼女が辞めたいということになれば、どうしようもない