村上春樹とチャンドラー

村上春樹訳「ロング・グッドバイ」を読んだ。

後書きに村上が書いている。「チャンドラーはなぜそのような手法をとったのか?目的はただひとつ、彼自身の語るべきフィクションを、より自発的で、よりカラフルで、より説得力のある物語として立ち上がらせるためである」。

また、こうも書いている。「チャンドラー自身はいつかミステリを離れたところで、本格小説(純文学)を書きたいと真剣に考えていた。ミステリを捨てるのではなく、その形式を脱した小説をひとつ残したいと思っていたのだ」。

まさに「1Q84」のことではないか。