ヘビーメタルってなんだ

何分、70年代半ばからロックを聞かなくなったものだから、ヘビーメタルという言葉をよく知らない。私が漠然と持っていた印象では、ハードロックからブルースの要素を除いてヨーロッパ調にした軽いものという、非常に負のイメージだった(軽いというのは、音の大きさではなく、リズムやサウンドにおける重さのようなものが少ないということ)。つまり、私にとってヘビーメタルは、一種のPOPなロックなのだ。

だから、「BABYMETALはメタルなのかメタルでないのか」と言う論争については、本当にどうでも良い。

ところが、このあいだの特集番組の中で、リードシンガーのすず香さんが「BABYMETALはアイドルでもメタルでもなくBABYMETAL」だと言っていた。これは言葉とは逆に、メタルを意識している発言のようにも聞こえる。そこで彼女が意識するメタルというものについて(40代以下の日本人には至って常識なのだろうが)、調べて見ることにした。

まず分かったことは、日本語版と英語版Wikipediaヘビーメタルの意味が全く異なっている。Wikipediaというのは、かってにみんなが編集するものだから、ある意味では違って当然のことではある。しかし、英語版では何と、レッドツェッペリンとディープパープルをヘビーメタルの元祖のように書いてあるのだ。

もしそれが事実なら、私は受験勉強のバックグランドミュージックとしてヘビーメタルを聞いていたことになってしまう。それは困る。

その点、日本語版はハードロックとヘビーメタルを一応、分けて考えている。ハードロックの進化系がヘビーメタルのようにしているのは気になるが、まあ許せる範囲だ。

もうひとつ驚くべき事実が書いてあった(私が一人でショックを受けているだけだが)。ヘビーメタルと言う言葉が最初に使われたのは、ヤードバーズを取り上げた雑誌の記事であったそうな。ヤードバーズは、我々の時代のアイドルであるクラプトンが(「アイドル」の使い方はこちらの方が正しい。若い女の子や少年だけを指すのは曲解)最初に名をあげたバンドである。嗚呼。

最後にしょうもないことを。「Heavy Metal(意味は重金属)」は「Hard Rock(固い岩)」より固いという意味で使い出したそうな。だが物理的に言うと、一番固い物質はダイヤモンドですがダイヤモンドは誘電体であって金属ではありません。一般的に言って、多くの重金属(鉄を含めて鉄より重い金属を呼ぶ)より岩の方が固い。