BABYMETALと大阪の終焉

昨日は、秀吉の大坂城築城以来400年続いて来た、大阪の最後の日となった。大阪市民は将来への展望ではなく、目先の安定という名の穏やかな衰退への道を選択した。

その同じ日、BABYMETALはRock On The Rangeのステージを、いくつかのトラブルに巻き込まれながらも、ほぼ完勝して終えた。幸か不幸か、格好の現実逃避の材料となってしまった。

Metal Hammerのレビュー

最近、なんでか知らんが、Metal Hammerという雑誌がBABYMETALに肩入れしている。ここがGolden Godsとかいう賞を主催していて、表彰式の余興にBABYMETALが出演するそうだ。この出演告知の記事の題名は「The Golden Gods are receiving a visit from the Fox God」、Golden GodsとFox Godを引っ掛けたしょうもない洒落で、こちらが気恥ずかしくなる。

それと関連するのかどうか、BABYMETALの公演直後にレビュー記事を入れてきた。それも公演終了後、おそらく2時間ほど後という直後も直後で、どうなっているのでしょうか。しかも内容がまた、よく分からん内容で、走り書きのような感がある。

現実逃避で翻訳してみた。

題名は「BABYMETALがRock On The Rangeを征服」、副題が「BABYMETALは、Rock On The Rangeへの初出演で、この地に狐神の旗を翻す」。副題は本題を言い換えただけだが、また狐神がらみだ。

本文は。

「BABYMETALは、細かいことは気にしない。『始まるぞ。楽しめよ。はい終わり』を業界風に言い換えた『フェスティバルの時間枠』というものは、狐神の世界では何の意味も持たないようだ。というのも、さっきからもう4分あるいは5分もたとうか、彼女たちのバックバンド(メタルの神とか神バンドとか呼ばれる)は、Su-Metal、YuiMetal、MoaMetalをステージに引っ張りだそうと、手の混んだドラムロールをずっと繰り返しているのだ。」

(後で投稿された動画を見ると、確かに4分以上ドラムとギターの短い同じフレーズがくり返されている。どうもサウンドチェックの段階でトラブルが起こっていたらしい。見切り発車なのか、その直後にCMIYCへの導入となる神バンドソロが始まった。記者はその辺りを分かっていなかったのだろう、意識的に引き伸ばしているように受けとっている)

「それにもかかわらず、日本から来たメタル現象のご本尊たちはピカピカの衣装に身をつつみながらも、まだステージの袖から動き出そうともしない。そばに控えているのは鈴なりの野次馬たち(いかにも業界関係という奴から、幅広い層から選抜されたRock On The Rangeの共演者たちまで)。彼らは、ステージ前の観客と同様、この大騒ぎを見るためにやってきたのだ。」

(共演者たちも興味津々というわけだ。一緒に写真を撮りたい奴らも多いのだろう。同じ写真を撮るなら、むくつけきおっさんと撮るより、可愛い女の子と一緒に撮る方が嬉しいに決まっている。それはともかく、トラブルに見舞われてBABYMETALの少女たちは不安だったのだろうが、記者にはのんきそうに見えたらしい)

「それからどうなったって?はっきり言えるのは、ギミチョコがインターネット上でブレークしてから1年あまり、お前さん方の期待に反して、BABYMETALは消えてなくならなかったということだ。それはもちろん、重ねて言うがお前さん方の期待には反するだろうが、ビジュアル的な魅力にあふれ、極めてヘビーで、ヤク中の幻想のように奇妙で、圧倒的に楽しいからだ。だからこそ、ここにいるゴリゴリのメタルヘッドたちも全く抵抗する術を持たなかったというわけだ。」

(いかにも急いで書いた記事で、ロンドンへ帰る飛行機の時間を気にしているのか。ヘイターに対してけんか腰にも思える)

「その後ピットが、嬉しそうなクラウドサーファーを4、5人ずつ警備員の前まで運ぶベルトコンベアとなるまでに、たいした時間はかからなかった。これは確かに見ものだ。しかし、もし本当に輝きがなかったら、こんなことは起こりえないのだ。狐神の時代がやってきた。バンザイ」

(それにしても、本当に狐神が好きだな)