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Frederic Leclercqのインタビュー

「3人とも大好きだよ。だけど、BABYMETALのファンたちは、僕が誰が好みなのかを、既に決めてしまったようだね*1」 (Frederic Leclercq)

インタビューというのは結構、難しいもので、インタビュワーの資質が、もろにインタビューの品質を決めてしまう。沈黙は金、雄弁は銀と言うが、インタビュワーは出来るだけ喋らない方が良い。もちろん、黙っていれば良いというものではないが、相手の言葉を引き出すことに専念するのが良いインタビュワーである。

ROCKIN’ON JAPANの6月号に載ったBABYMETALのインタビューには、Su-metalの興味深そうな話が出ているので、以前から読みたいと思っていた。英訳が出ているので大体のことは分かるのだが、やはり彼女の喋った言葉*2を、生で読みたいと思ったわけだ。この間、それをオークションで手に入れることができて読んでみたのだが、とにかくインタビュワーが喋りすぎている。ところによっては、彼女の答えの十倍は長く喋っている。

これは、BABYMETAL subredditの連中も同じ意見で、ほとんど誘導尋問じゃないかとか、女王様に対する敬意が足りないと言うやつもいた。聞きたいのはSu-metalの言葉であって、誰もお前の世界観なんか知りたくないというわけだ。英訳版を読んだ外国人がそう言うぐらいだから、これはチョットね。BABYMETALの場合は、日本語の記事であっても直ぐに英訳されるから、日本の恥をさらすようなことは出来るだけ避けてほしいものだ*3

それに比べると、以下に紹介するBABYMETAL Newswireのインタビュワーは大したものだ。非公式ファンサイトだから、おそらくプロではないと思うのだが、出しゃばることをせず、それでも、Frederic Leclercqの情報はきちんと調べている。BABYMETALのことだけ聞くというようなワガママはしない。Leclercqに十分な敬意をはらっている。結果として、Leclercqの人となりが表に現れて、素晴らしいインタビューになってしまった。

Newswire interviews BABYMETAL's friend Frederic Leclercq from Dragonforce!

2016ー10ー17

我々は、BABYMETALのファンであり、また彼女たちの親友でもあり、Sinsaenumのリーダーでもある、DragonForceのベーシストと話す機会を持つことが出来た。Newswireでは、Frederic Leclercqにインタビューできたのだ!オンライン化2周年のお祝いに、この素晴らしいインタビューを皆さんにお届け出来ることを嬉しく思う。楽しんでね!

Frederic Leclercqが、SinsaenumやBABYMETALとの出会いと共演について、Newswireに語る!

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Newswireでは、Frederic Leclercqが日本に滞在している間の、とても詰まったスケジュールの間を縫って、彼を捕まえることができた。このインタビューは、彼の日本滞在中、ならびに、彼がヨーロッパに戻った後に、eメールを使って行われた。彼が音楽を始めたころ、DragonForceでの活動、彼の新しいプロジェクトで6月にファーストアルバムをリリースしたSinsaenumについて、彼が語ったものである。Fredericはまた、「Road Of Resistance」の製作過程や、Download Festival 2015とMetal Hammer Golden Gods 2015におけるBABYMETALとの共演、東京ドーム、フランスや日本で何度も彼女たちと会ったこと、彼の好きなBABYMETALの曲、そして、彼の好きなBABYMETALのメンバーについても、語っている。

このインタビューを楽しんでほしい、できれば、あなたの印象や、FRED-METALことFredericへの言葉をコメント欄に書き込んでもらいたい、DEATH!!

幼少時代

Newswire: まず最初に、我々と話すために時間を割いてもらったことを感謝します。

DragonForceのウェブサイトでは、あなたは「マルチ」な人間だと紹介されていますね。とても才能にあふれ、3カ国を話すことができることに加えて、ほとんど全ての言語で、汚い単語をいくつか発することができる!ベース、ギター、キーボードを演奏できて、シンガーであり、プロデューサーであり作曲家でもある。音楽を始めるきっかけはどのようなものでしたか、そして、影響を受けたアイーティストは誰なのでしょう?

Frederic Leclercq: 僕の周りには、いつも音楽があったんだ。両親は音楽好きで、(プロではないが)ミュージシャンでもあった。だから、そうだね、音楽はいつも大切なものだった。僕の母は、僕がまだお腹の中にいるときからピアノを弾いていた。胎児は廻りの音を聴くことができるのだという記事かなんかを読んで、それは素晴らしいことだと思ったらしい。母は正しかったと思うよ。僕が、こんなに音楽と特別な関係になってしまったんだからね。小さいころは、数年間ピアノのレッスンを受けていた。その後、メタルを見つけ出して、エレキギターに転向したんだ。こんな音楽には、この楽器が一番だと思ったからね。

アーティストとしては、最初に聴いたメタルバンドはManowarだった。その後すぐに、Iron Maiden。感性ではなく、勉強としてなら...、メタルでは、Iron Maiden、Metallica、Morbid Angel、Pestilence、Slayerなんかの名前をあげるけどね。だけど、本当は、どんな音楽も感性なんだ。例えば、僕はビデオゲームやアニメが大好きなんだが、そこで聴く音楽からも大きな刺激をもらうんだ。また、ベートーベンやバルトーク、プログなら例えばUK(今朝も起きるとき、彼らの「Danger Money」が頭の中で鳴っていた)。他にも、Allan Holdsworthの大ファンでもあるし、80年代のディスコミュージックが大好きだし...、違った分野のものを、いっぱい聴いているよ。

Newswire: BABYMETALの女の子たちは、とても若いころから始めています。もちろん今でも、とても若いのですが。ところで、あなたの場合は、どうでしたか? 初めてライブをやったのは、いつでしたか? そのときのことを覚えていますか?

Frederic Leclercq: 最初に人前で演奏したのは、音楽学校のピアノの試験のときだった。全然、楽しくなかったけどね(笑い)。聴衆というのが、先生と親たちに他の生徒たちで、そもそも判定を下すためにそこにいるんだから、とんでもなく緊張したよ。教会でコーラスをしたことも覚えているよ、それも音楽学校の時だった。10歳ぐらいのときだったか、小さな劇場で劇を演ったのを覚えている。僕は酔っ払ったカウボーイで、何かそれらしいことをボソボソ言って、酒を飲んで、最後に床に倒れこむことになっていた。観客が笑ったんで、(ピアノの試験に比べればはるかに)楽しかったよ。

初めてのメタルのコンサートは、16の時だった。最高だったよ。本当に楽しかった。全く緊張しなかった、自分の力を出すことができたんだ。準備が出来ていたし、曲のことも分かっていたし、素晴らしい時間だった!

DragonForce

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Newswire: あなたは、2005年に北アメリカと日本で数回、DragonForceとしてのショーを演っていますね。DragonForceに参加したときは、どうでしたか?

Frederic Leclercq: 僕はHeavenlyというパワーメタルバンドに居たんだが、2000年頃、僕らの2回目のショーにHermanがやって来て、彼と会っているんだ(彼は、実際にはSymphony Xに会いに来たんだが、そのときはフェスティバルで僕らは前座をやっていた。そこで、彼と僕らが会ったんだ)。そのときに友達になって、それからずっと連絡は取っていた。

彼らがベース奏者に問題を抱えていたとき、僕に問い合わせがあった ー 実は、僕の名前を出したのはマネージャーだったんだが、「彼は確かに良いギター奏者だけど、ベースはダメだと言うだろう」と彼らは言っていたようだ。それでも、一応、Hermanが僕に連絡してきて、「やあ、ショーを3つ演るんだ。モントリオール、ニューヨーク、そして、日本。だけど、ベースがダメなんだ。君がやってくれないか?」。僕は思った。「どこも行ったことないよな。特に日本には、ずっと行きたいと夢見てきたからな。YESだな。やろう!」。それで、うまく行った! 実際には、ニューヨークのショーは特別で、ビザの問題で3人だけしか演奏できなかった。だから、CBGB*4では、会場で見つけたドラマーと一緒にバラードをひとつだけ演ったんだが...、それはそれは...、面白かった。

それから、2006年の1月に、DragonForceはヨーロッパツアーを行った。そのときは体が開いていたので、彼らが、よかったらまた一緒にやらないかと聞いてきた。実は、彼らは既に、正式な交替を視野に入れていたんだけどね。僕としては、何の問題もなくOKだった。それから一週間後、会場で夕食を取っていたとき、彼らが何か言いたそうだなと思っていたら...、言い出した。「それでと、ええと、このバンドに入らないか?」。強い調子でも何でもなく、ちょうど「いま何時?」みたいに。だから、僕も同じ調子で答えたんだ。「ああ、いいよ」。それだけだったよ!(笑い)。

Newswire: DragonForceは、日本と素晴らしい関係を保っていますね。日本で演奏するときは何が違いますか、そして、何故、あなたのバンドにとって特別なのでしょう?

Frederic Leclercq: 僕だけの気持ちを言うなら、僕は日本を愛している。それは秘密でも何でもない。言う機会があれば、クリアに答えることができる。ミュージシャンとしては、ここのファンは、とても配慮があって、優しくて、言ってみれば最高だね。ちょっとした贈り物を渡すために、待ってくれている。ショーでは、とても大きな反応があって、一緒に歌ってくれる。そうだね...、日本で演るときはいつも、素晴らしい時間になる。技術的に問題があったときでさえ、とても良い思い出になっている。だから、僕らはここで演るのが大好きなんだ、2倍楽しいというわけだ。

BABYMETALとの共演

Newswire: 日本について話しましょう。Herman Liによると、Sam Totmanと一緒にBABYMETALとのコラボを始めたのは2013年でしたね。HermanとSamが、他のメンバーにBABYMETALとのコラボを話したとき、あなたはどのように反応しましたか?

Frederic Leclercq: 僕は素晴らしいと思ったよ!! 僕は、そのときには既にBABYMETALのことは知っていたから、彼女たちとコラボするなんてすごいと思った。

Newswire: 初めて「Road Of Resistance」を聴いたときはどうでした?

Frederic Leclercq: 僕は、ハーモニーとかコードなんかでHermanとSamを手伝っていたから、デモ版は聴いていたんだ。だから、この曲のポテンシャルは良く分かっていた! とても素晴らしいサウンドになっていたので、そのときの反応というと、顔いっぱいに広がった笑顔、かな!

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Newswire: あなた方はBABYMETALと2度、共演していますね。最初はDownload Festival 2015で、BABYMETALはスペシャルゲストだった。それから、The Metal Hammer Golden Gods 2015では、「Road Of Resistance」と「Gimme Chocolate」を演った。BABYMETALと共演して、どうでしたか?

Frederic Leclercq: 最初のショーのDownloadでは、ちょっと神経質になっていた。それまで彼女たちとはリハーサルしていなかったからね。曲のことは勉強していたから、演奏についても問題なく分かっていた。だけど、なにしろBABYMETALには振り付けがあるから、「何をするのか、どこに立つのか」以上の問題があるからね。そうは言っても、後ろで一列に並ぶなんてことはしたくなかった。だから、ぶつかり合ったりしないように祈ったのさ(たぶん、狐神にね(笑い))。僕らは、ライブビデオをいくつか観て、彼女たちがどのように動くのかを調べていたんだ。でも、ショーの前に、彼女たちとそれについて話し合ったかどうかは、あまり確かじゃない。よく覚えていないんだ...、たぶん話をしたとは思うんだが*5

結局は、アクシデントもなく、とてもうまく行った。The Metal Hammer Golden Godsのときは、曲はもちろん、ステージ上でいつ何をするのかといったようなことまで、彼女たちとリハーサルする時間があったから、ずっとリラックスしていた。楽しい経験だった! 女の子たちはとてもプロフェッショナルで、彼女たちも僕らと一緒にやるのを楽しんでいるように思えた。ステージ上でもステージを降りてからも、みんな笑顔で、冗談を言い合っていたんだ。そう、皆が皆、楽しい経験だった。

Newswire: BABYMETALと共演したことについて、あなた方のファンからの反応はどうでしたか?

Frederic Leclercq: いつものことで、喜んでくれる人もいれば、批判的な人もいる。まあ、ほとんどのファンはコラボを楽しんでくれたと思うよ。一回だけのことなのに、「神よ、こんなものはパワーメタルではありません、ブラブラブラ」なんてのもいたが、大方は肯定的だった。両方のショーとも、とてもうまく行ったと思うね、ブーイングもなく、出て行く連中もいなかった。

このコラボをダメだと決めつける頑固なファンのことも、尊重はするよ。彼らが言いたいことも聞くけど、僕たちは僕たちのやりたいことをやったんだ ー いつもそうしてきたように ー だから、彼らにもこのことを尊重してほしいね。僕たちは素晴らしい時間を過ごしたし、ふたつのショーを観たほとんどの人々にとっても、それはやはり素晴らしい時間だったんだ! 皆が皆、肯定的な反応だった!

Sinsaenum

Newswire: あなたは今、新たなプロジェクトであるSinsaenumの宣伝活動を終えて、日本から戻る途中だと思います。Sinsaenumでは、あなたはギターを弾いていますね。その新プロジェクトについて教えてください。それと、SinsaenumとDragonForceの双方の将来設計についても、お願いします。

Frederic Leclercq: 今、ちょうど戻ったとこだよ。日本には残念なことに、たった一週間弱、居ただけだったんだ。いつも、本当に短い。Sinsaenumは、ずっとやりたかった。多くの人たちは知らないと思うけど、それは僕の性格の暗い方の一面を表しているんだ。僕には、ニコニコして、面白くて、社会的な側面があるからね。それは認めるよ。足にウンチ君の刺青をいれているから(他にもいくつか、鳥山明のキャラクターをいれている)、みんなはドクタースランプのプレゼントをくれる。それも僕だから、嬉んではいるよ。だけど、それは僕の一面に過ぎない。僕にはまた、とても暗くて、悲嘆にくれている、打ちひしがれた一面があるんだ。僕は、過激で暴力的な音楽が大好きだ。僕は、ホラー映画が大好きだ。僕は、人生をニヒリスティックに見ている。たぶん、僕には、そのことを音楽的に表現する道が必要なんだと思う。それが、Sinsaenumなんだ。たまたま、僕には、それを友人達と一緒にやることができるという特権があった。Joey Jordison、Attila Csihar、Stephane Buriez、Sean ZatorskyにHeimoth。みんな、とてつもない才能を持ったミュージシャンであり、それぞれが、メタルのジャンルで世間に認められた、とても有名なバンドで演っている、もしくは、演っていた連中だ。僕たちは、強い結びつきを持っている。僕が曲を提供したら(全ての音楽と歌詞については半分)、彼らは完全に理解してくれて、一万倍も素敵なものに仕上げてくれた。

アルバム「Echoes of the Tortured」は7月の終わりに出たんだが、一連のレビューはとても肯定的だった。これは、ブラックデスメタルなんだ。大衆に喜んでもらおうとしたものじゃない。みんながこれを好きか嫌いかは、全く問題じゃない。僕たちは、僕たちが好きなように作ったんだから。だけど、人々が分かってくれて、僕たちの表現したかったものを受け取ってくれるのなら、それは素晴らしいことだ。僕は、Sinsaenumを誇りにしている。僕たちは新曲もやっているけど、正直、ツアーは難しい。みんな、別のバンドで忙しいスケジュールがあるからね。だけど、ここで約束するよ。何とかして、日本に行くことを! 今回は、日本でのレーベルであるワードの連中と会うことができた。彼らのことを話せるのは嬉しいね。とても良いコラボなんだ。だから、日本には行くよ。今すぐじゃないが。みんなには待ってもらわなければならないが、そのときまでには、聴いてもらえる曲がたくさんできているはずだ。だけど、誓って、必ず行く。

DragonForceについては、新アルバムを作っているところだ。もう曲は出来ていて、レコーディング中なんだ。来年には出せるだろう。正確ではないが、2017年の前半には。それから、もし僕が忙しくなければ、Loudblast*6のベース奏者に成るよ。そのために、あのバンドとリハーサル中なんだ。僕は、ずっとあのバンドが大好きだったから、これはとても素敵なことなんだ(だから、Stephene*7がSinsaenumにいるというわけなんだ。彼は僕の親友のひとりで、初めて会ってから20年ぐらいになる)。それに、Massacraのトリビュートバンドもやっていたよ。Massacraは、フランスのデスメタルバンドで、1997年に活動を停止したんだが、そのころはビッグネームだった。だから、僕たちも彼らをトリビュートする*8というわけだ。フランス、それに僕にとっては、デスメタルの真のビッグネームだったので、その一翼を担えるのは、僕にとって本当に幸せなことだった。前に言ったように、どうも今という時は、僕にとっては、暗い方の一面を掘り起こす時期のようだ。だから、僕はいま、デスメタルブラックメタルをこれでもか、これでもかとやっている。そうするべきだと感じているんだ。

東京ドーム

Newswire: あなたが日本に居たとき、東京ドームのBABYMETAL公演に参加する機会があったわけですが、BABYMETALにとっての最大のショーは、実際どうでしたか? それと、女の子たちに会われたわけですが、どんな様子でした?

Frederic Leclercq: ショーは驚くばかりだったね。完璧な構成、何もかもが正確、訴えかけの強さ、最高の音、目を見張る光、そして、素晴らしいパーフォーマンス ー 言われていないけど、観衆も重要な役割を果たしていたんだ。僕は、X-Japanの東京ドームコンサート「The Last Live」を思い出したよ。観客の反応には鳥肌がたった。

女の子たちとは、The Golden Godsのショーの後も、何回か会ってるんだ。LoudParkで演ったときには挨拶に来てくれたし、彼女達のファンクラブ(THE ONE)の東京であったショーのときは、僕達が行った。6月には、パリで会いに行った(フランスのチーズを持っていく約束をしていたんだ)。いつも、彼女達と冗談を言い合うのを楽しみにしている。彼女達はスケジュールに忙殺されているし、今回は最高のショーのあとで、本当に全てを出し尽くした感じだった。二夜とも会ったんだが、クールだったよ。今度もチーズを持って行ったんだ。

Newswire: 東京ドームのBABYMETALについて、あなたはMetal Hammerにレビュー*9を書いていますが、神バンドを賞めていますね。彼らについては、どう思いますか?

Frederic Leclercq: 彼らは最高のミュージシャンだと思う。ギターとベースは、もちろん最高なんだが、ドラマーも卓越しているね。この4人に、もっと注目するべきだと思うよ。彼らは驚くべき技術を持っていて、ショーを完璧に支えていた。インストルメンタルパートでは、いつものように素晴らしかったし、シュレッドしていたね!!

好きな曲、好きなメンバー

Newswire: あなたは、BABYMETALの大ファンですよね。どんなファンでも、好きなメンバーを一人、好きな曲を一曲持っています。あなたが好きなBABYMETALのメンバーは誰ですか、BABYMETALの好きな曲は何ですか?

Frederic Leclercq: いつも言っているように、僕はファンというより友達だと思っているんだ。だけど、彼女たちのやっていることは大好きだよ。全体としてのコンセプトにも、すっかり魅了されている!

好きな曲を、あえて言うなら「Gimme Chocolate」だね。それには、いくつか理由がある。あれは、女の子たちと共演した最初の曲だ。それに、上田剛士には多くの点で敬意を抱いている。彼は、この曲で素晴らしい仕事をしている、コーラス部も大好きだし、曲全体がこのバンドをとてもよく表現している。BABYMETALとは何だと聞かれたらこの曲をどうぞ、みたいな、まっすぐで、強烈で、キャッチーで、可愛くて、面白い!

好きなメンバーだけど、3人とも大好きだよ。だけど、BABYMETALのファンたちは、僕が誰が好みなのかを、既に決めてしまったようだね(笑い)。

日本語

Newswire: 最後の質問です。最初にDragonForceのウェブサイトにふれましたが、あなたは3ヶ国語、フランス語と英語とドイツ語を話すそうですね。日本語は勉強していないのですか?

Frederic Leclercq: ...チョット。ニホンゴ ワカリマセン、ゴメンナサイ。ムズカシイ! この美しい言葉を勉強しようとしたことはあるんだけど、散々だった。本当に難しい。今度の日本滞在で、カラオケに行ったんだ(初めてだった!!)。ローマ字を読みながら、何曲か(北斗の拳ZiggyYMO)歌ったんだ。僕の発音は悪くなかったようだよ、まあ、友人たちが気を使ってくれたんだろうけどね。

だけど、単語とフレーズはいくつか知っているんだ、ひらがなも読めるし、かたかなも少し、漢字は忘れたけどね。日本に行ったときは、いつも、少しだけは新しいことを学ぼうとしているんだ。日本語を喋れたらいいなとは、本当に思うよ。

Newswire: 忙しいスケジュールの中で、我々の質問に答える時間を割いてもらって、ありがとうございました。ご親切には、心から感謝します。

Frederic Leclercq: ドウ イタシマシテ! インタビューしてくれたことを、あなたに、ドウモ アリガトウ! マタネ!!

あとがき

この訳文では、Leclercqの一人称に「僕」を使っている。ロックミュージシャンの場合は、よく「俺」を使うようだが、例えばBrian Mayが日本人なら「俺」を使ったのかと考えると、天文学の研究者でもある彼が「俺」を使うとは考えにくい。その人の社会的背景も良くわからないのに、かなり限定的要素を持つ「俺」を使うのは危険ではなかろうか。だから、私は通常、白色に近い「私」を使うのだが、Leclercqの場合は「僕」の方がぴったりくる。それほど彼は、「良い子」の雰囲気を持っている。

彼はインタビューの中で、彼の母が胎教のためにピアノを弾いていたというエピソードを披露しているが、その一節からだけでも、彼が両親から愛されて育ったことが伝わってくる。おそらく、音楽学校のピアノの試験のときも、両親が客席に座っていたのだろう。そんな彼が「悪い子」に育つわけがない。BABYMETALの女の子たちと仲が良いのも、「良い子」同士で気が合うのだろう。

そうは言っても、彼も男だから、心の内に凶暴さを秘めている。それが、彼の言う「暗い方の一面」なのだろうし、16歳の時にヘビーメタルをやり出したきっかけなのだろう。

と言うわけで、彼は現在、暗い面(ダークサイド)の気分らしい。インタビューでこれからのことを聞かれたときも、暗さがなくてスポーツみたいな、パワーメタルのDragonForceには少しふれただけ。あとは、ブラックメタルデスメタルの話ばかりだった。おかしいのは、Sinsaenumの宣伝で来日して、精一杯「悪い子」ぶらないといけないはずの彼が、BABYMETALにチーズのおみやげを持っていったり、カラオケで日本語の発音を褒められて喜んでいるところ。結局、彼は本質的に「良い子」なのだ。彼のダークサイドは、一面というより0.1面ぐらいなものだ。

彼のエピソードを読みながら気づいた。ヘビーメタルファンは、暗いカーテンを閉めきった部屋の中で、ローソクを灯して、ニヤニヤしながら大きなナイフをひたすら研いでいるような感覚なのではないかと。

だとすれば、BABYMETALが嫌われる理由がわかる。可愛い女の子が突然、窓から入ってきて、「おひさまが出ているよ、ピクニックに行こうよ」なんて言うようなものだからね。「ちょっと待ってくれ。折角、人が暗くなって楽しんでいるのに、何で君はじゃまするの?」というわけだ。

*1:もちろん、Moaのことです

*2:特に、モンスター云々のくだり。それに加えて、英訳版では彼女がとてもしっかりと話しているので、世間ではポンコツと言われる彼女の姿が、本当はどうなのかと知りたかった

*3:それに対して、女王様はりっぱなものだった。予想以上にしっかりとした、お言葉だった。誘導尋問に乗るように見せかけて、少し違うよという主張を通し、最後は自分の言いたいことを相手に納得させておられたのである

*4:1973年から2006年まで存在した、ニューヨークのライブハウス

*5:Metal Hammer 273号のカバーストーリーによると、Moaは、彼らがビデオまで調べてくれたことを聞いて、とても感動している。「今日聞いたんですが、Dragonforceはステージの感触をつかむために、私たちのツアーのビデオを研究していたんです。本当に『ああ、何て私たちのことを考えていてくれるの』という感じで、とっても感謝しています」

*6:フランスのメタルバンド

*7:Loudblastのギタリスト

*8:讃えること

*9:Frederic Leclercqの東京ドーム」参照